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2015/2/4

経済産業情報

国外運送会社への最低賃金適用を凍結

この記事の要約

ドイツ政府は国内を走行する国外運送会社のトラック運転手に同国の法定最低賃金を適用することを当面、棚上げにする。同賃金の適用に対しては周辺諸国から批判が出ており、欧州連合(EU)の欧州委員会がEU法に抵触していないかの調査 […]

ドイツ政府は国内を走行する国外運送会社のトラック運転手に同国の法定最低賃金を適用することを当面、棚上げにする。同賃金の適用に対しては周辺諸国から批判が出ており、欧州連合(EU)の欧州委員会がEU法に抵触していないかの調査を開始。国際的な圧力が高まっていることから、欧州委の調査が終了するまで適用を見合わせることにした。ドイツのアンドレア・ナーレス労働相(社会民主党=SPD=)が1月30日、明らかにした。

ドイツでは時給を最低8.5ユーロとする法律が1月1日付で施行された。同法はドイツ国内を走行する国外企業のトラック運転手にも適用されていることから、ポーランドやハンガリーなど周辺諸国が欧州委に苦情を申し立てている。

政府は今回、ドイツを通過するトラックであれば運転手に最低賃金を当面、適用しないことを決めた。ドイツを出発ないし目的地とするトラックの運転手にはこれまで同様、最低賃金を適用する。入国に先立って税関に輸送計画を提出することを国外運送会社に義務づけるルールも凍結しない考えだ。

最低賃金法の施行をめぐっては勤務時間の記録義務など煩雑な事務手続きが多いとの批判が経済界から出ており、連立与党キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)は手続きの簡素化を要求している。ナーレス労相はこれまで、同要求の受け入れを全面的に拒否してきたが、1日になって夏までに再検討する意向を明らかにした。圧力に抗しきれなくなったもようだ。

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