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2015/2/4

総合 - ドイツ経済ニュース

独インフレ率もマイナスに、1月消費者物価0.3%低下

この記事の要約

ドイツ連邦統計局が1月29日発表した同月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比0.3%減となった。1年前の水準を下回るのはリーマンショックに端を発する金融・経済危機が深刻だった2009年9月以来で、5年4カ月ぶり。ユーロ […]

ドイツ連邦統計局が1月29日発表した同月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比0.3%減となった。1年前の水準を下回るのはリーマンショックに端を発する金融・経済危機が深刻だった2009年9月以来で、5年4カ月ぶり。ユーロ圏は昨年12月にインフレ率がマイナスに落ち込んでおり、ドイツも1カ月遅れで後を追う格好となった。

エネルギー価格が9.0%低下して、全体が強く押し下げられた。食料品も1.3%減となり、2カ月連続で低下。物品全体では2.0%下がった。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率はプラス1.1%に上った。

消費者物価指数は前月比では1.0%減と大きく落ち込んだ。

欧州連合(EU)基準の消費者物価指数は前年同月比が0.5%減、前月比が1.3%減だった。

ドイツの各種物価指数をみると、輸入物価は13年1月から24カ月連続で1年前の水準を下回り、生産者物価と卸売物価もそれぞれ17カ月、18カ月連続で落ち込んでいる。エネルギー価格が最大の押し下げ要因だ。特に石油価格が急落した昨年秋以降は下落幅が拡大。これまでプラスの領域にとどまっていた消費者物価のインフレ率も輸入物価などに引きずられる形でマイナスの領域へと転落した。(下のグラフ参照)

ユーロ圏は2カ月連続マイナスに

一方、EU 統計局ユーロスタットが30日発表したユーロ圏の1月のインフレ率(前年同月比)はマイナス0.6%(速報値)となり、マイナス幅は前月の0.2%から0.4ポイント拡大した。物価が1年前の水準を下回るのは2カ月連続。エネルギーが8.9%低下し全体が強く押し下げられた格好で、このほか、食料品・アルコール飲料・たばこも0.1%落ち込んだ。エネルギーと食料品・アルコール飲料・たばこを除いた基礎インフレ率は0.6%と低水準ながら、プラスの領域にとどまった。スペインでは物価の下落幅が12月の1.1%から1.5%に拡大。イタリアも同0.1%から0.4%に広がった。

ガソリンなどの燃料や食料品価格の低下は個人消費のプラス材料で、短期的には景気の押し上げ要因となる。だが、物価の下落が長期化すると消費者はさらなる物価の下降を見越して消費を先延ばしするようになり、企業業績の悪化、雇用と経済の縮小という悪循環をもたらす。こうした事態を回避するため、欧州中央銀行(ECB)は22日、ユーロ加盟国の国債を市場で買い込む量的緩和を決定した。貨幣流通量を大幅に拡大し物価の下落を食い止める考えだ。

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