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2015/2/4

経済産業情報

スイスの観光地が通貨高対策、ユーロ高の局地レートを適用の動き

この記事の要約

スイス国立銀行(中央銀行、SNB)がスイスフラン高を阻止するために行ってきた無制限のユーロ買い政策を1月中旬に中止したことは、同国の観光産業に大きな打撃をもたらしている。フラン高ユーロ安が急速に進み、主要な顧客であるユー […]

スイス国立銀行(中央銀行、SNB)がスイスフラン高を阻止するために行ってきた無制限のユーロ買い政策を1月中旬に中止したことは、同国の観光産業に大きな打撃をもたらしている。フラン高ユーロ安が急速に進み、主要な顧客であるユーロ圏からの観光客が急速に減っているためだ。ただ、観光地によっては影響を免れているところもある。

『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、ツェルマットの北およそ20キロの観光地グレッヘンではSNBの政策転換後も観光客でにぎわっている。ユーロの為替レートが1ユーロ=1.20フランから同1フラン強に下がった現在も、1ユーロを1.35フランとみなす局地ルールを維持しているためだ。

このルールは2011年夏のフラン高を受けて同地の観光業界団体が導入したもので、リフト、ホテル、レストラン、土産物店などで有効。ユーロで得た売り上げは可能な限りフランに換金せず、ユーロ圏で設備などを購入して為替差損を回避している。

ただし、2月1日から3月7日までは同ルールが適用されない。2月はスイス人のスキー客も多く、そうした措置を取らなくても観光客が大量に押し寄せるためだ。

オーストリアと国境を接するスキー場、ザムナウンでも同様の措置を近く導入する。同地では1ユーロを1.10フランとみなすほか、顧客に10%の割引を提供。これによりSNBの通貨政策転換前の為替水準を実質的に維持する。割引の恩恵はスイス人観光客も受けることができる。同地のホテルやレストラン、土産物店の半数以上がこの取り組みに参加するという。

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