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2015/2/25

ゲシェフトフューラーの豆知識

フルタイムからパートに契約変更、有給休暇の取り扱いは?

この記事の要約

同一年度内にフルタイム勤務からパートタイム勤務に労働契約を変更した場合、同年度の有給休暇日数はどのように取り扱われるべきなのだろうか。この問題をめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が10日に判決(訴訟番号:9 A […]

同一年度内にフルタイム勤務からパートタイム勤務に労働契約を変更した場合、同年度の有給休暇日数はどのように取り扱われるべきなのだろうか。この問題をめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が10日に判決(訴訟番号:9 AZR 53/14(F)を下したので、ここで取り上げてみる。

裁判は公共部門で働く職員が雇用主を相手取って起こしたもの。

同職員は2010年7月14日まで週5日のフルタイムで働いていた。年次有給休暇は30日あった。同15日から週4日のパート勤務に変更したところ、同年の有給休暇日数を週4日勤務をベースに計算した計24日に削減された。フルタイムで働いていた同年上半期も週4日ベースで計算されたため、同職員はこれを不当として提訴。上半期については有給休暇を週5日勤務をベースに計算するのが妥当だとして、同年の有給休暇を計27日とするよう要求した。

原告は1審で勝訴したものの、2審で敗訴。最終審のBAGは2審判決を破棄し、原告勝訴を言い渡した。判決理由で裁判官は、被告が行った有給休暇の計算方法はパート労働者の差別を禁じた欧州連合(EU)法に抵触するとの判断を示した。