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2015/2/25

企業情報

ルフトハンザ―配当見送り方針―

この記事の要約

独ルフトハンザ航空(フランクフルト)は20日、2014年12月期の配当を見送る方針を明らかにした。独商法典(HGB)ベースの損益が巨額の赤字に転落したためで、取締役会は配当断念を提案するよう監査役会に要請した。 HGBベ […]

独ルフトハンザ航空(フランクフルト)は20日、2014年12月期の配当を見送る方針を明らかにした。独商法典(HGB)ベースの損益が巨額の赤字に転落したためで、取締役会は配当断念を提案するよう監査役会に要請した。

HGBベースの当期損益(暫定値)は7億3,200万ユーロの赤字となり、前期の黒字(4億700万ユーロ)から大幅に悪化した。昨年10月に予告した電算センターの売却や企業年金負担の増加、石油安に伴う燃料ヘッジ取引での損失計上が足かせとなった格好だ。

国際会計基準(IFRS)ベースの当期損益(暫定値)は5,500万ユーロの黒字となったものの、黒字幅は前期の3億1,300万ユーロから大きく縮小した。営業利益(同)は9億5,400万ユーロで、前期の6億9,900万ユーロから36%拡大した。従業員のストライキは同利益を2億3,200万ユーロ押し下げたという。同社ではパイロットが昨年4月以降、断続的にストを実施している。

ルフトハンザは格安航空会社や国家助成を受ける中東系航空会社の追い上げを受けて高コスト体質の見直しを進めている。パイロットをはじめとする従業員はこれに強く反発。歩み寄りの姿勢を示していない。このため、今回の配当見送り方針には厳しい経営状況を従業員にアピールする狙いもあるとみられる。