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2015/4/15

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ボンバルディア―鉄道事業から撤退か―

この記事の要約

カナダの電機大手ボンバルディアが鉄道車両・設備部門ボンバルディア・トランスポーテーション(独ベルリン)を放出するとの観測が浮上している。ロイター通信が関係者6人の情報として10日報じたもので、売却、新規株式公開(IPO) […]

カナダの電機大手ボンバルディアが鉄道車両・設備部門ボンバルディア・トランスポーテーション(独ベルリン)を放出するとの観測が浮上している。ロイター通信が関係者6人の情報として10日報じたもので、売却、新規株式公開(IPO)などのオプションを検討しているという。中国の2大鉄道車両メーカーである中国南車と中国北車が3月に合併を決定したことで業界内の競争が今後、激しさを増すと予想されるため、ボンバルディアは同部門を放出。売却益を最大50億ドル確保し、経営不振の航空機部門を強化する考えのようだ。広報担当者は、株主のために価値を生み出す方法はたくさんあると述べるにとどめ、報道内容についての明言を避けた。

ロイター通信によると、ボンバルディア・トランスポーテーションを売却する場合は全面売却と部分売却がともにあり得る。IPOはフランクフルト市場とロンドン市場が候補になっているという。潜在的な売却先候補としては日立とアルストムの名が挙がっている。放出の検討は初期段階にあり、見合わせる可能性もあるようだ。

ボンバルディアは2001年、独自動車大手ダイムラー(当時ダイムラー・クライスラー)の鉄道車両子会社アドトランツを買収。鉄道車両・設備部門の本社をドイツに移管した。ボンバルディア・トランスポーテーションは独シーメンス、仏アルストムとともに世界3大メーカー(中国勢を除く)の一角をなしている。

ボンバルディアの地元、ケベック州のジャック・ダウ経済相が12日述べたところによると、同社が鉄道車両・設備部門を全面売却することはないという。

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