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2015/11/25

ゲシェフトフューラーの豆知識

インターンは試用期間に算入されるか

この記事の要約

ドイツには訓練教育必要職業(Ausbildungsberuf)というカテゴリーに分類される職業がある。これは学校教育の終了後に職業訓練生として企業などで勤務し、訓練期間の終了後に試験に合格して専門職業人としての資格を得な […]

ドイツには訓練教育必要職業(Ausbildungsberuf)というカテゴリーに分類される職業がある。これは学校教育の終了後に職業訓練生として企業などで勤務し、訓練期間の終了後に試験に合格して専門職業人としての資格を得なければならない職業を指す。第1次産業から第3次産業にわたる約350の職業がこれに該当する。

職業訓練生として働く場合はまず、訓練教育者である雇用主との間で労働契約を結ぶ。その際、通常の労働契約と同様に試用期間が設けられる(同期間中はいつでも労働契約を解除できる)。職業訓練生の試用期間は最低1カ月、最高4カ月と法律で定められている。

では、職業訓練に先立って訓練生が同じ職場でインターンとして働いた場合、インターンの期間は試用期間に算入されるのだろうか。この問題をめぐる係争で、最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が19日に判決(訴訟番号:6 AZR 844/14)を下したので、ここで取り上げてみる。

裁判は被告企業で小売商人の職業訓練生として働いた被用者が同社を相手取って起こしたもの。

同訓練生は2013年春、職業訓練生として被告企業で8月1日から働く契約を締結するとともに、7月末まではインターンとして働く契約を結んだ。職業訓練生としての試用期間は3カ月となっていた。

被告は10月29日付の文書で、原告に即時解雇を通告した。これに対し原告は、インターンの期間も試用期間に入ると主張。解雇通告を受けた時点で試用期間の3カ月は終了していたとして、解雇無効の確認を求める裁判を起こした。

1審と2審は原告の訴えを棄却し、最終審のBAGも下級審判決を支持した。判決理由でBAGの裁判官は、職業訓練教育の雇用関係は試用期間をもって始まるとした職業教育法(BBiG)20条第1文の規定を指摘。原告と被告のケースでは13年8月1日が職業訓練教育の雇用関係の始まりに当たるとして、その3カ月弱後の10月29日付で労働契約を解除したことに問題はないとの判断を示した。

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