2014/1/6

産業・貿易

ロシアがEUをWTOに初提訴、鉄鋼・肥料への反ダンピング措置めぐり

この記事の要約

ロシア政府は12月24日、EUがロシア製の鉄鋼製品、化学肥料に不当な反ダンピング(不当廉売)税を課しているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴したことを明らかにした。ロシアがEUをWTO提訴するのは初めて。 EUはロシア […]

ロシア政府は12月24日、EUがロシア製の鉄鋼製品、化学肥料に不当な反ダンピング(不当廉売)税を課しているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴したことを明らかにした。ロシアがEUをWTO提訴するのは初めて。

EUはロシア製の鋼管など鉄鋼製品や化学肥料に対して、生産者が国内のエネルギー価格が低いことに支えられて、製品を廉価でEUに輸出し、域内業界を圧迫しているとして、2002年から「エネルギー調整課税」という名目で事実上の反ダンピング税を課している。

これに対してロシア側は、生産コストが低い製品を低価格で輸出するのは当たり前で、不当廉売には当たらず、EUはWTO協定に反した反ダンピング措置を適用しているとして、提訴に踏み切った。双方はWTOの紛争処理手続きの第1段階として当事者間協議を行うが、60日以内に解決できなければ、紛争処理小委員会(パネル)を舞台とする本格的な紛争に発展することになる。

ロシアは2012年8月にWTOに加盟した。EUはロシアが輸入車に廃車処理税(リサイクル税)を課しているのは不当として、2013年7月に提訴したが、ロシアのEUに対する提訴は初めてとなる。