2014/1/6

競争法

グーグルの検索サービス改善策、欧州委が受け入れ拒否

この記事の要約

米インターネット検索サービス大手グーグルが検索結果を自社に有利になるよう操作しているとの疑いで欧州委員会が調査を進めている問題で、同委のアルムニア副委員長(競争政策担当)は12月20日、グーグルが提示した新たな改善策を拒 […]

米インターネット検索サービス大手グーグルが検索結果を自社に有利になるよう操作しているとの疑いで欧州委員会が調査を進めている問題で、同委のアルムニア副委員長(競争政策担当)は12月20日、グーグルが提示した新たな改善策を拒否したことを明らかにした。具体的な提案の内容は不明だが、このまま和解に至らず、最終的に競争法違反と認定された場合、グーグルは最大で年間売り上げの10%に相当する約50億ドルの制裁金の支払いを命じられる可能性がある。

欧州委はグーグルが欧州の検索市場における独占的地位を乱用し、ネット検索機能で自社関連のサービスをライバル社よりも優先的に表示していると主張する競合企業他社からの訴えを受け、2010年11月に調査を開始。昨年3月にグーグルが競争法に違反しているとの初期判断を示した。これを受けてグーグルは4月、検索結果ページ上でラベル付けを行うことで自社サービスとその他の検索結果を明確に区別するほか、競合3社以上のサービスへのリンクを表示するなどの是正案を提案した。しかし、欧州委は「是正案の内容は不十分」として受け入れを拒否。グーグルは制裁回避に向け、10月に追加的な改善策を提示していた。

アルムニア副委員長はスペインのラジオ局とのインタビューで、「グーグルからの新たな提案は競争政策に関する欧州委の懸念を払しょくするものではなかった」と発言し、価格比較やレストランの評価サイトといった「バーティカル検索(分野別の専門検索)における競合他社の扱い」などで問題が解決されていないと指摘。「時間はほとんど残っていないが、(さらなる改善策を提示するかどうかの)決定権はグーグル側にある」と述べ、なお交渉の余地は残されているとの考えを示したうえで、「ただし、間もなく決定権はこちらに移り、近く最終判断することになる」と警告した。

グーグルの広報担当はアルムニア氏の発言に対し、「欧州委員会の懸念に対応するため、当社は他社サービスの視認性を高めるなどさまざまな変更を行っている」とコメントしている。