2014/1/6

総合 –EUウオッチャー

トルコとビザ規制撤廃の交渉開始で合意、17年にも実現へ

この記事の要約

トルコとEUは12月16日、トルコ市民がEU加盟国を訪問する際の査証(ビザ)取得免除に向けた交渉を開始することで合意した。EUがトルコを経由して流入した不法移民を同国に強制送還することができる協定の調印に伴うもので、早け […]

トルコとEUは12月16日、トルコ市民がEU加盟国を訪問する際の査証(ビザ)取得免除に向けた交渉を開始することで合意した。EUがトルコを経由して流入した不法移民を同国に強制送還することができる協定の調印に伴うもので、早ければ2017年にトルコ人旅行者のビザなし渡航が認められる見通しだ。

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EU加盟候補国であるトルコは、正式加盟に先立ってビザ規制を撤廃するようEUに求めている。しかし、北アフリカ、中東などからトルコを経由して不法移民が大量に流入することを恐れるEUは、こうした移民の強制送還をトルコが受け入れることを条件として要求していた。

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同問題をめぐっては、トルコがビザ規制撤廃の交渉開始をEUが確約しない限り、強制送還に応じない姿勢を貫き、調整が難航していたが、EUが歩み寄り、欧州委員会のマルムストロム委員(内務担当)とトルコのダーヴトオール外相が16日にアンカラで強制送還に関する協定に調印。これを受けて双方はビザ規制撤廃交渉を開始し、3年半以内にトルコ市民のビザなし渡航を実現することで合意した。

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トルコのエルドアン首相は同合意について、「EUとトルコの関係にとって画期的な出来事だ」と歓迎の意を表明。ビザなし渡航が認められることで、EUでトルコ人不法就労者が急増するとの懸念については、トルコ経済が急成長していることに言及し、「そのような懸念は不要だ」と述べた。

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トルコとEUは11月、3年間にわたって中断していた加盟交渉を再開したばかり。これに続く今回の合意で、トルコのEU統合がさらに前進したことになる。

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