欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/5/5

西欧

英仏海峡トンネル、貨物列車の料金値下げ

この記事の要約

英仏海峡トンネルの運営会社であるユーロトンネルは4月28日、貨物列車を運行する事業者に課す線路使用料を6月1日から引き下げると発表した。高い料金が障害となって貨物輸送が低迷していることを受けたもの。これによって貨物運賃も […]

英仏海峡トンネルの運営会社であるユーロトンネルは4月28日、貨物列車を運行する事業者に課す線路使用料を6月1日から引き下げると発表した。高い料金が障害となって貨物輸送が低迷していることを受けたもの。これによって貨物運賃も値下がりする見通しだ。

ユーロトンネルによると、オフピーク時(平日23時~7時)に運行する貨物列車の線路使用料を25%引き下げる。また、最も高い保守作業を行う時間帯の料金を33.3%値下げする。さらに、昨年5月に時限的措置として導入した新規参入事業者に優遇料金を適用する制度を2018年まで延長する。

英仏海峡トンネルを利用する貨物列車が支払う線路使用料は、1本当たり最大6,075ユーロと高い水準に設定されている。このため、英仏間の貨物輸送はトラックが主流となっており、同トンネルの貨物列車運行数は1日平均7本と、稼働率は57%にとどまっている。

同料金をめぐっては、EUの欧州委員会が昨年6月、不当に高く設定されており、EU鉄道市場の成長を妨げているとして、是正手続きに乗り出していた。これもあってユーロトンネルは値下げを決めた。欧州委は今回の決定を歓迎し、値下げよって向こう5年で英仏海峡トンネルの貨物列車運行本数が倍増するとの見通しを示している。