欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/7/7

EUその他

廃棄物リサイクル率の新目標提案、一般廃棄物は30年までに70%

この記事の要約

欧州委員会は2日、廃棄物の再生利用(リサイクル)に関する新たな目標を提案した。2030年までに一般廃棄物で70%、容器包装廃棄物の80%のリサイクル率を達成するよう求めるほか、25年までに紙やプラスチックなど資源ごみの埋 […]

欧州委員会は2日、廃棄物の再生利用(リサイクル)に関する新たな目標を提案した。2030年までに一般廃棄物で70%、容器包装廃棄物の80%のリサイクル率を達成するよう求めるほか、25年までに紙やプラスチックなど資源ごみの埋め立て処分を禁止し、食品廃棄物を30%削減するとしている。

欧州委によると、新しいリサイクル目標が達成されれば、現在は廃棄されている年間6億トンの再生可能資源が再利用される。リサイクルビジネスの活性化は経済成長を促進し、新規ビジネスの創出により58万人の雇用が創出される可能性があるという。欧州委のポトチュニック委員(環境担当)は、「競争力を持つためには資源を最大限に活用することが必要で、これは資源をごみとして埋め立てるのではなく生産的な用途に再利用すること意味する。循環型経済への移行は実現可能なだけでなく利益をもたらすが、そのためには適切な政策が不可欠だ。我々が提案している2030年の目標は、循環型経済への移行を加速し、ビジネスを開拓するために必要な行動を今日起こすということだ」と述べた。

EUは20年までに一般廃棄物の50%をリサイクルするという目標を掲げているが、12年時点の平均リサイクル率は27%にとどまっている。リサイクル率は加盟国によって大きなばらつきがあり、最高のドイツでは47%に達している一方、最低のルーマニアは99%の廃棄物が埋め立て処分されており、目標達成にほど遠い状況だ。