欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/10/13

EUその他

30年までの気候変動政策、EU首脳会議で合意へ

この記事の要約

EU加盟国は7日、イタリアのミラノでエネルギー・環境相理事会を開き、2030年に向けた気候変動・エネルギー政策の枠組みについて協議した。EUは今月23、24日に開く首脳会議で、30年を達成期限とする温室効果ガス削減などの […]

EU加盟国は7日、イタリアのミラノでエネルギー・環境相理事会を開き、2030年に向けた気候変動・エネルギー政策の枠組みについて協議した。EUは今月23、24日に開く首脳会議で、30年を達成期限とする温室効果ガス削減などの数値目標と共に、エネルギーの安定確保に向けた具体策での合意を目指している。中期目標に関しては、野心的な目標の導入に難色を示す国がある一方、ウクライナ情勢を背景に、加盟国はエネルギー分野での脱ロシア依存を急ぐ必要があるとの認識で一致しており、欧州委員会のヘデゴー委員(気候変動担当)は会議後の会見で「建設的な議論ができ、首脳会議での合意形成は可能との印象を持っている」と述べている。

欧州委員会は今年1月、30年までに◇温室効果ガス排出量を1990年比で40%削減する◇再生可能エネルギーの利用比率をEU全体で27%まで引き上げる――などの目標を打ち出した。加盟国はさらに一歩進め、90年比で40%の排出削減目標のほか、再生可能エネルギーの利用比率を30%に引き上げる◇エネルギー効率を90年比で30%改善する—-という目標を設定したうえで、EU排出量取引制度(EU-ETS)に基づく排出枠の売却益をエネルギー企業や製造業、さらに中東欧や旧ソ連諸国などの負担軽減策に充てて目標達成を支援するスキームの導入を検討している。

一方、エネルギー安全保障に向けた対策としては、これまでに資源の調達先や調達ルートの多様化、エネルギーインフラの更新、域内における送電・送ガス網の相互接続などで合意しており、首脳会議で追加措置が検討される見通しだ。