2013/7/10

コーヒーブレイク

ワインの次はプロセッコ

この記事の要約

クロアチアの欧州連合(EU)加盟による「ワイン戦争」の戦線が拡大する様相だ。スロベニアとクロアチアが赤ワイン「テラン」の呼称めぐって対立しているのは既報(5月15日号コーヒーブレーク)の通り。今度は、発泡性白ワイン「プロ […]

クロアチアの欧州連合(EU)加盟による「ワイン戦争」の戦線が拡大する様相だ。スロベニアとクロアチアが赤ワイン「テラン」の呼称めぐって対立しているのは既報(5月15日号コーヒーブレーク)の通り。今度は、発泡性白ワイン「プロセッコ」の産地であるイタリア・ヴェネト州のワイン農家が、EUの原産地名称保護規定を盾に、クロアチアのダルマチア地方で生産されている甘口ワイン「プロシェク」の名称変更、さらには生産中止を求めた。イタリア選出の欧州議会議員らも加勢し、すでにEUに対し、クロアチアに「プロシェク」呼称を禁止するようを求める申請を行った。

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イタリアは2009年に「プロセッコ」について原産地名称保護の認定を受けた。これにより、EU域内では他のワインを同じ名前や似た名前で販売することが禁止されている。

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クロアチアのワイン農家団体は、「プロシェク」が19世紀以来、醸造されていることを挙げ、ワイン農家には本来の名前で販売する権利があると強く主張している。クロアチアはすでにEUに対し「プロシェク」の原産地名称保護の認定を申請したが、「プロセッコ」と似ているとの理由で却下された。

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プロシェクはダルマチア地方で子どもの誕生、結婚式など、祝い事に欠かせない。単なる商品ではなく、生活に根差した文化の一部ととらえられている。このこともあって、呼称禁止の要求がクロアチア人の怒りを呼んでいるようだ。

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