2013/7/10

総合・マクロ

企業の未回収売掛金が増加・キャッシュフロー確保に影響も

この記事の要約

長引くユーロ圏の景気低迷の影響で、中東欧諸国の企業の間で売掛金の支払い遅延や回収不能の問題が深刻化していることが、オランダの信用保険大手アトラディウスがこのほど発表した調査報告書で明らかになった。\ ポーランド、ハンガリ […]

長引くユーロ圏の景気低迷の影響で、中東欧諸国の企業の間で売掛金の支払い遅延や回収不能の問題が深刻化していることが、オランダの信用保険大手アトラディウスがこのほど発表した調査報告書で明らかになった。

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ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロバキアの企業820社を対象に実施されたアンケート調査によると、企業間取引において支払い期限を過ぎた売掛金が全体に占める割合は国内取引で29.4%、国外で21.6%となり、昨年6月の前回調査と比べてそれぞれ6.9%、17.9%減少した。このように未払い売掛金は減少しているものの、期限後90日を経過しても未払いの売掛金の割合は前回の3.6%から4.7%に上昇しており、特に国外取引では前回調査から30%も増加した。長期滞留売掛金の増加に伴い、回収不能として貸倒償却される売掛金の比率も上昇しており、国内取引で38.5%増の3.6%、国外で44.4増の2.6%となっている。回収不能売掛金の割合が最も高いのはポーランドの5.8%で、最も低いのはハンガリーの1%だった。

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アンケートに回答した企業の35%が、製品・サービスに対する需要の減少と適切なキャッシュフローの維持を最も大きな問題として挙げた。アトラディウスは、今回調査対象となった4カ国は地理的に近接していることもあってユーロ圏における金融引き締めの影響を受け易く、企業のキャッシュフローは圧迫されており、企業取引の減速や倒産の増加が懸念されると指摘している。

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