2013/7/10

総合・マクロ

シベリア横断鉄道をウィーンまで延長、4カ国の国鉄が覚書調印

この記事の要約

ロシア、ウクライナ、スロバキア、オーストリアの国鉄総裁は5日、シベリア横断鉄道をウィーンまで延長するプロジェクトに関する覚書に調印した。ウラジオストク、上海などの極東成長市場と中央アジアを結び、欧州への鉄道輸送ルートを整 […]

ロシア、ウクライナ、スロバキア、オーストリアの国鉄総裁は5日、シベリア横断鉄道をウィーンまで延長するプロジェクトに関する覚書に調印した。ウラジオストク、上海などの極東成長市場と中央アジアを結び、欧州への鉄道輸送ルートを整備する狙い。投資規模は60億ユーロと推定されている。

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年内に事業化調査を実施し、来年半ばに実行するかどうかを最終決定する。まずはウラジオストクからモスクワ、キエフ、ブラチスラバを経由してウィーンに至る路線を整備する。これに伴い、スロバキアのコシツェからウィーンへ至る400~500キロの広軌路線の敷設が必要となる。

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また、ウィーン郊外には8億ユーロをかけて面積200ヘクタールの貨物駅を建設する。欧州各地へ向けた積み替え需要を取り込む狙いで、オーストリア連邦鉄道(ÖBB)では、プロジェクトを通じて国内で3,000人の雇用創出、1億2,000万ユーロの利益増を見込んでいる。

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ÖBBのケルン総裁によれば、ウラジオストクから欧州まで現在、船舶輸送で30日かかる。シベリア鉄道を経由すれば、これが半分の15日に短縮する。

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ただ、鉄道コンテナ運賃は船舶の3倍に上るため、どれほど海運の需要を奪えるかは未知数だ。

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