2011/5/25

コーヒーブレイク

男も女も贈賄~西バルカン諸国

この記事の要約

西バルカン諸国では男女を問わず「袖の下」が日常――国連薬物犯罪事務所(UNODC、本部ウィーン)が17日発表したリポートでこんな実態が明らかになった。一般的には、贈賄するのは男性のほうが多いが、調査が実施されたアルバニア […]

西バルカン諸国では男女を問わず「袖の下」が日常――国連薬物犯罪事務所(UNODC、本部ウィーン)が17日発表したリポートでこんな実態が明らかになった。一般的には、贈賄するのは男性のほうが多いが、調査が実施されたアルバニア、ボスニア、クロアチア、コソボ、モンテネグロ、セルビア、マケドニアでは、定期的に袖の下を使っている人が男性で13.3%、女性でも11.7%に上っている。

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頻度も年5回と性別で差はない。違うのは贈る物の内容で、男性は現金を使う傾向が強いが、女性は食べ物や飲み物とやや婉曲的だ。

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贈る相手のナンバーワンは医師で57%。これに警察官(35%)、看護師(33%)が続く。贈る側は必ずしも賄賂を肯定しているわけではないが、「仕方がない」とあきらめている様子だ。

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汚職の告発率は1.5%と低く、告発しない理由としては「告発しても変わらない」(30%)、「賄賂は役に立つ」(22%)という回答が目立つ。目的は「優先して扱ってもらうため」が25%以上で最も多い。「感謝の気持ちを表すため」は18%だった。

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賄賂の平均額は257ユーロ(購買力平価)で、3分の2が現金払いだった。

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UNODCでは、公共サービスの改善が汚職対策に役立つと指摘する。役所での手続きに必要な待ち時間を短縮したり、医療サービスの需要を充足すれば、お金を出して優遇してもらう必要がなくなるというわけだ。

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また、欧州連合(EU)への加盟を目指すならば、各国政府は汚職告発を受理する担当局を設置すべきと勧告している。というのも、賄賂の半数は公務員の求めに応じたもので、求められた側が不快に思えば、「とりあえず払うが告発もしておく」というケースも考えられるからだ。賄賂を使うことが直ちになくなるわけではないが、汚職が立派な犯罪であるという認識を育てるきっかけになるとしている。

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