ポーランド中央統計局(GUS)が18日発表した4月の民間平均賃金は3,597.8ズロチとなり、前年同月を5.9%上回った。これは、年間の上げ幅として2010年1月以来で最も大きい。インフレ加速により、被用者の賃上げ要求が強まっていることが背景にあるようだ。前月比では1%減だった。地元金融機関のBank BPHは今回の統計データを受けて、中央銀行がインフレへの警戒を強める可能性を指摘している。
\中銀は今月11日、インフレ圧力の高まりを理由に、今年に入って3度目の利上げを実施した。4月のインフレ率は過去2年半で最も高い4.5%に達し、7カ月連続で中銀の目標とする上限(2.5%)を上回った。インフレ期待も、過去3年で最高を記録した3月の4.6%を下回ったとはいえ、依然として4%の高水準だった。
\Bank BPHは、「実質賃金をみれば上昇は穏やか」とする一方で、賃金上昇の加速で、中銀が「二次的インフレリスク(インフレの価格・賃金への波及)」に対する警戒を強める可能性があるとみている。
\4月の民間雇用数は前年同期比3.9%増の551万4,000人。前月比では0.1%の増加だった。(1PLN=29.34JPY)
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