2010/3/24

ロシア

コカコーラ、ロシア飲料大手買収へ

この記事の要約

米飲料大手コカコーラが、ロシア同業のニダン・ジュースの買収に乗り出している。18日付の日刊紙『コメルサント』によると、コカコーラはすでにニダン親会社の英投資ファンド、ライオン・キャピタルと同社株式の譲渡で合意。ロシア独禁 […]

米飲料大手コカコーラが、ロシア同業のニダン・ジュースの買収に乗り出している。18日付の日刊紙『コメルサント』によると、コカコーラはすでにニダン親会社の英投資ファンド、ライオン・キャピタルと同社株式の譲渡で合意。ロシア独禁当局に取引の承認を求めて関連書類の送付を済ませたという。

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ニダンは「Moja Sem’ja」「Sokos」「Da!」などのブランドで各種ジュースを展開し、売上高ベースの市場シェアは14%。取引額は明らかにされていないが、ブルームバーグが引用した資料では、ニダンは09年の売上高見込みが2億8,000万米ドル、利払い・税・償却前利益(EBITDA)が6,000万ドルに上り、時価総額は5億6,000万~6億2,000万ドルと試算している。ライオン・キャピタルが保有するニダン株式の比率は、発行済み株式総数の75%。

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コカコーラは2005年にもロシアのジュース大手ムルトンを5億100万ドルで買収。07年にはモスクワ郊外のジュース工場アクア・ビジョンを1億9,510万ユーロで傘下に収め、ロシアのジュース市場のシェア約22%を占める。同国のジュース業界では、コカコーラのライバル、ペプシコがシェア約3割で首位に立っており、コカコーラはニダンの買収で逆転を狙う。専門家も「ニダンは低価格帯の商品が中心で、ムルトンは中価格帯から高級品に強みを持つ」(投資コンサルティング「BrokerCreditService」アナリスト、ボブロフスカヤ氏)として、シナジー効果発揮も容易だとみる。

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ロシアのジュース市場規模は09年の推定で32億ドル。コカコーラとニダンのシェアを合わせると36%に達するが、独禁当局は最近、あらゆる市場で35%以上のシェアを禁じる方向を示していることから、コカコーラは取引が認められても一部資産の売却を条件づけられるとみる向きもある。

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