2011/8/10

ロシア

シーメンス、ロシア鉄道事業に期待

この記事の要約

ドイツ総合電機大手のシーメンスがロシア鉄道事業に大きな期待をかけている。4日にはロシア・スベルドロフスク州で、合弁生産の大型貨物機関車「2ES10(通称:グラナイト)」の試運転を実施。ローカル線車両「Desiro」につい […]

ドイツ総合電機大手のシーメンスがロシア鉄道事業に大きな期待をかけている。4日にはロシア・スベルドロフスク州で、合弁生産の大型貨物機関車「2ES10(通称:グラナイト)」の試運転を実施。ローカル線車両「Desiro」については、2014年ソチ五輪大会に向けて54編成を受注したほか、さらに240編成の納入で仮契約を済ませた。高速列車「Velaro RUS」でも追加受注を見込んでいる。

\

「グラナイト」はロシアの鉄道メーカー、シナラと提携し、スベルドロフスク州の首都エカテリンブルグ郊外で製造する。外観は伝統的なロシアの重連機関車だが、中身はシーメンスの最新の三相交流技術とパワーエレクトロニクス技術を採用している。今回、試運転した第2号機の重量は200トン。出力は1号機の1.5倍に当たる8,800キロワットに上り、9,000トンの貨物をけん引する能力がある。

\

大型機関車は中国と欧州の陸上貨物輸送手段としてロシアだけでなく西欧の鉄道会社も注目している。海上輸送に比べてスピードが速いためだが、輸送能力向上による効率化が課題となっている。

\

シナラとシーメンスの合弁会社Ural Locomotivesでは年内に量産試作を終え、来年から本格的な量産体制に入る。210両を納入する計画で、このうち、シーメンスの受注規模は4億ユーロだ。なお、Ural Locomotivesにはシナラが51%、シーメンスが49%出資している。

\

ローカル線車両「Desiro」は2013年から現地で16編成を生産する計画だ。高速列車「Velaro RUS」は2009年以来、モスクワ―サンクトペテルブルグ間を中心に運行されている。定時到着率は99%弱の高率に上り、乗客も増加していることから、シーメンスでは追加受注を確実視している。R

\