2012/2/29

ロシア

ロシア、EU排出権取引制度に反発

この記事の要約

欧州連合(EU)の航空会社を対象とした域内排出権取引制度を不当として、ロシアが対抗措置に動き始めた。オクロフ副交通相によると、政府は自国の航空会社が同制度に参加することを禁止する規定の導入を準備しているほか、欧州の航空会 […]

欧州連合(EU)の航空会社を対象とした域内排出権取引制度を不当として、ロシアが対抗措置に動き始めた。オクロフ副交通相によると、政府は自国の航空会社が同制度に参加することを禁止する規定の導入を準備しているほか、欧州の航空会社のシベリア上空航行を制限しアジア系航空を優遇することも検討しているという。21、22日にはモスクワでロシア、中国、インド、米国、日本など29カ国が対抗措置をとることで合意している。

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産業分野の温暖化ガス排出削減への取り組みを加速させるため、EUは2005年に排出権取引制度を導入。今年初めに航空業界にも適用が拡大され、EU圏内の空港を利用する航空会社が適用対象になった。予あらかじめ付与された排出枠を超えた場合、排出権の購入が義務づけられるため、排出削減が達成できない航空会社には大きな負担になる。アエロフロートは、排出権購入コストが2025年までに8億ユーロに上ると推定している。

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ロシアなどEU圏外の国が同制度に猛反対するのは、排出量算定ベースがEUの航空領域だけでなく航路の総距離となっているからだ。モスクワの会合では、自国航空会社の参加禁止、国際民間航空機関(ICAO)への苦情提出、欧州航空会社との新路線交渉の中断、自国の空港を欧州航空会社が利用する場合の特別課税などが対抗措置として挙がった。

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