2012/2/29

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ウクライナ、太陽光発電が急成長

この記事の要約

ウクライナで太陽光発電が急速に拡大している。再生エネルギー業者で作る業界団体APEUによると、太陽光発電の新規設置容量は2010年にはわずか2.5メガワット(MW)だったが、11年は欧州最大のメガソーラーが完成したことで […]

ウクライナで太陽光発電が急速に拡大している。再生エネルギー業者で作る業界団体APEUによると、太陽光発電の新規設置容量は2010年にはわずか2.5メガワット(MW)だったが、11年は欧州最大のメガソーラーが完成したことで200MWに急伸、12年は11年を上回る300MWの設置が予定されている。

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太陽光発電の急速な成長の背景にはウクライナ政府の手厚い普及促進制度がある。ヤヌコビッチ政権は15年までに発電容量を1,000MWとすることを目標に掲げており、固定価格高値買取制度(フィードインタリフ)による買取価格は1キロワット(kW)時46ユーロセントと欧州で最高で、2位のギリシャを59%上回っている。欧州ではドイツ、フランス、英国、イタリア、スペインなどの主要国が太陽光発電の設置目標を達成したことを理由に買い取り価格を引き下げているが、ウクライナでは「太陽光発電ブームが始まりつつある」(墺アクティブ・ソーラーのエルテファイ最高経営責任者)状態で、関連企業が熱い視線を注いでいる。

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英石油メジャーBPの調べによると、ウクライナは国内消費電力の40%を天然ガス、31%を石炭、17%を原子力で賄っており、再生可能エネルギーの割合は1%に満たない。最も大きな割合を占める天然ガスはロシアからの輸入に頼っているが、ロシアとは輸入価格をめぐる度重なる紛争で供給が途絶したこともあり、ロシアへのエネルギー依存からの脱却が大きな課題となっている。このためヤヌコビッチ政権は再生可能エネルギーの普及に力を入れており、APEUによると再生可能エネルギーへの投資額は現在の年間20億米ドル程度から5年後には50億ドルに拡大する見通しだという。

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