2012/2/29

ポーランド

ポーランド首相、原発計画の堅持を確認

この記事の要約

ポーランドのトゥスク首相は23日、原子力エネルギー計画を堅持する姿勢を改めて確認した。国内外で批判が強まっていることを受けたもの。政府は同時に、原子力発電に関する広報キャンペーンを開始し、国民の理解を得ることを目指す。\ […]

ポーランドのトゥスク首相は23日、原子力エネルギー計画を堅持する姿勢を改めて確認した。国内外で批判が強まっていることを受けたもの。政府は同時に、原子力発電に関する広報キャンペーンを開始し、国民の理解を得ることを目指す。

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国民のうち、原発賛成派は40%にとどまり、反対派が過半数を占める。一方で、80%が原子力エネルギーについて「全く知らない」、「ほとんど知らない」と答えており、経済省は知識を浸透させることで賛成派が増加すると期待している。

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広報キャンペーンは3月1日から実施する。期間は3年で予算は2,200万ズロチ(525万ユーロ)。初年度の今年は800万ズロチを支出する。

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計画では3カ所の建設候補地が挙がっている。このうちの1つであるバルト海に面する西ポモージェ県ミエルノでは今月12日に原発設置の是非を問う住民投票が行われ、95%の圧倒的多数が反対の立場を明確にした。

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同じ西ポモージェ県のコシャリンでも、施工主の電力最大手PGEの代表が市庁舎を訪れた際に数百人が原発に反対するデモを行った。

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ポーランドでは昨年、出力各3,000メガワットの原子炉2基を設置する法案が圧倒的多数で議会を通過した。ロシアへの天然ガス依存から脱却するとともに、二酸化炭素排出の大幅削減を狙っている。ポーランドは電源の90%を石炭に頼り、温暖化ガスを大量に排出している。

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工事予算は250億ユーロ。1号炉は年内に立地を決定し、2016年に着工、2022年に電力供給を開始する。2号炉は2023年の稼動を予定する。

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原発はPGEのプロジェクトだが、政府はPGE単独ではなく、プロジェクトに参加する企業を募る方針だ。

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国内では電力2位のタウロン、精銅大手のKGHMなどが、国外でも3社・企業連合が参加を検討している。具体的には、フランス電力公社(EDF)とアレバのフランス連合、東芝の米国子会社ウエスチングハウス、ゼネラル・エレクトリックと日立製作所の合弁会社であるGE日立ニュークリア・エナジー・アメリカスが公に関心を表明した。

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