2012/2/29

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

セルビア、加盟候補国認定へ前進、コソボとの関係正常化促進で

この記事の要約

EU加盟を目指すセルビアは24日、国家承認していないコソボとの関係正常化に向けた2つの問題で、コソボ政府と合意した。これによって同国はEU 加盟に向けて大きく前進。28日にEUから加盟候補国として認定される可能性が強まっ […]

EU加盟を目指すセルビアは24日、国家承認していないコソボとの関係正常化に向けた2つの問題で、コソボ政府と合意した。これによって同国はEU 加盟に向けて大きく前進。28日にEUから加盟候補国として認定される可能性が強まってきた。

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コソボは2008年2月、セルビアの反対を押し切って一方的に独立を宣言。これまでにEU22カ国を含む80以上の国が国家承認した。しかし、セルビアは独立を容認しない姿勢を崩しておらず、これがEU加盟の大きな問題となっている。

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EUの仲介によりブリュッセルで行われた双方の地位問題解決に向けた協議で、セルビアはコソボが国際会合で従来の「国際連合コソボ暫定行政ミッション」ではなく「コソボ」という名称で代表団を派遣し、独自に協定などに署名することに同意。また、両国が国境を共同管理することでも正式合意した。

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セルビアは2008年にEU加盟の前段階である「安定化・連合協定(SAA)」を締結し、2009年12月に加盟を正式申請。加盟候補国認定が次のハードルとなっている。同国は昨年、ボスニア内戦時の戦犯で最後まで逃亡を続けていたゴラン・ハジッチ被告を逮捕し、旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)に引き渡した。これは当時、EUが最も強く解決を求めていた問題であったことから、加盟候補国認定を取り付けるかと思われた。ところが昨年末のEU首脳会議で、ドイツなどがコソボ地位問題の解決が進んでいないことを理由に拒否権を発動し、見送られた経緯がある。

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国際会合での「コソボ」容認は、EUが国家承認を渋るセルビアに妥協策として提案していたもの。セルビアは28日に開かれるEU外相理事会を前に、これを受け入れた。欧州委員会のフューレ委員(EU拡大担当)は24日発表の声明で「本日の合意により、セルビアは加盟候補国認定の重要条件を満たした」とコメントした。

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**同記事は 24日時点の報告をまとめたもの。27日にセルビアはEU加盟候補国として認定された。

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