ロシアの国営電力インターラオが、国外企業買収による事業拡大を断念する。コワルチュック社長が、6月末に開かれた同社の年次総会で明らかにした。国内電力市場での当局の規制政策が不透明なことから、投資計画を立てにくいというのが理由。
\インターラオは昨年、2020年までに発電能力ベースで世界の電力会社トップ10入りを目標に掲げる国際事業戦略を打ち出し、スペインの電力会社ソルへニアや独RWEの原発施設の買収などを検討していたとされる。コワルチュック社長は、現状ではカザフスタンやトルコを除き、外国市場での投資は行わない方針を明確にするとともに、ロシアの電力市場規制が不透明で今後の展開を予測しにくく、投資家に拡大戦略への支援を説得するのが困難と説明した。
\ロシアは過去10年間に電力事業の民営化をかなり進めたが、電力料金値上げや投資インセンティブに関する政策方針が一貫せず、西欧諸国のような市場自由化には至っていない。インターラオが近い将来民営化されることもないとコワルチュック社長は見ている。
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