2012/7/4

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

コソボ、9月に完全独立

この記事の要約

コソボの独立を支援するコソボ国際運営グループ(ISG)は2日、ウィーンで開いた会合で9月からのコソボの「完全独立」を決定した。オーストリアのシュピンデレッガー外相が同日明らかにした。ただし、7月2日を以って事実上「国際監 […]

コソボの独立を支援するコソボ国際運営グループ(ISG)は2日、ウィーンで開いた会合で9月からのコソボの「完全独立」を決定した。オーストリアのシュピンデレッガー外相が同日明らかにした。ただし、7月2日を以って事実上「国際監視下の独立(というコソボの地位」は終了する」という。

\

コソボのハシム・サチ首相は「7月2日がコソボにとって歴史的な日となった」と決定を歓迎。今後は北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)への加盟を目指すと話した。一方でセルビアは国際機関がコソボから部分的に撤退する今回の決定を強く批判。少数派のセルビア系住民がアルバニア系住民による迫害を受ける可能性を危惧している。

\

アルバニア系・セルビア系住民間の緊張が続いていることを受け、治安維持を目的とした国際機関はコソボにとどまる。EUの文民支援隊(EULEX)は先ごろ、2014年までの活動継続が決まった。NATOが指揮する平和維持部隊(KFOR)も駐屯を続ける。

\

コソボのアルバニア系住民とセルビア系住民の対立は1990年代後半のコソボ紛争で戦火に発展。NATO軍の軍事介入を経て停戦に至り、その後10年近く国連暫定行政機構(UNMIK)の統治下に置かれた。アハティサーリ国連特使が2007年に提示したコソボ地位問題に関する包括的解決案(アハティサーリ・プラン)に基づいて、2008年に国際監視下の独立が成立した。これにともない、UNMIKから国際文民事務所(ICO)に権限が委譲された。ISGはICOがアハティサーリ・プランを実行に移すための具体的な決定を行う権限を持ち、ISG参加国はコソボ政府の決定や立法を修正する内政介入権を有していた。ISGはEU加盟25カ国と米国、トルコの27カ国で構成されている。

\