2012/7/4

総合・マクロ

トルコとアゼルバイジャン、送ガス管建設で協定

この記事の要約

トルコのエルドアン首相とアゼルバイジャンのアリエフ大統領は6月26日、アゼルバイジャン産天然ガスを欧州に輸出するための「トランスアナトリア・パイプライン(TANAP)」を共同建設する政府間協定に調印した。\ TANAPは […]

トルコのエルドアン首相とアゼルバイジャンのアリエフ大統領は6月26日、アゼルバイジャン産天然ガスを欧州に輸出するための「トランスアナトリア・パイプライン(TANAP)」を共同建設する政府間協定に調印した。

\

TANAPはトルコとグルジアとの国境付近からトルコの東西を横断し欧州方面に伸びるパイプライン。総工費は約70億米ドルと想定され、2013年から14年初頭に着工、18年に第1期工事を完了する。輸送能力は年160億立方メートルで、うち100億立方メートルが欧州向け、60億立方メートルがトルコ向けとなる。ロイター通信によると、TANAPの輸送能力は最終的に300億~600億立方メートルに引き上げられる可能性があるという。

\

TANAPの供給源は当面、カスピ海沖に位置するシャーデニス・ガス田となる。ただ、エルドアン首相は将来的にはアゼルバイジャンのシャーデニス以外のガス田や、アゼルバイジャン以外のカスピ海沿岸国からも天然ガスを調達する考えを示している。

\

旧ソ連から欧州へ天然ガスを輸出するパイプラインの建設では、欧州連合(EU)が主導する「ナブッコ」とロシア国営ガスプロムが15年末の稼働を目指す「サウス・ストリーム」が競合する構図。トルコはナブッコ計画に参加しているが、TANAPが実現することでナブッコのトルコ内の敷設ルートは不要になるため、ナブッコ計画に影響が出ることも予想される。

\
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |