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2010/1/6

経済産業情報

アウシュビッツ表示板の盗難、背景にネオナチ

この記事の要約

ユダヤ人虐殺で有名なポーランドのアウシュビッツ強制収容所跡地で「働けば自由になる(Arbeit macht frei)」と書かれた表示板が盗まれた事件には国際的な広がりがあるようだ。犯人が逮捕された22日時点では、金銭目 […]

ユダヤ人虐殺で有名なポーランドのアウシュビッツ強制収容所跡地で「働けば自由になる(Arbeit macht frei)」と書かれた表示板が盗まれた事件には国際的な広がりがあるようだ。犯人が逮捕された22日時点では、金銭目当ての単なる盗難との見方が有力だったが、その後の捜査でネオナチが背景にいる疑いが強まっている。ポーランド当局は12月30日、スウェーデン当局に対し捜査協力を正式に要請した。

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事件が起きたのは17日夜(当初は18日未明とされたが、犯人の供述で17日だったことが判明)。18時ごろ現場を下見したポーランド人の犯人5人は警備が甘いことを確認したうえで、近くのDIYショップで金属切断用ののこぎりとはしごを調達し、21時に表示板を持ち去った。

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犯人のうち4人は盗難や傷害などの前科があったため、当局は政治的な背景のない事件とみていた。だが、その後のマスコミ報道によると事件は二重底、三重底の様相を呈しているようだ。

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英『サンデー・ミラー』紙によると、表示板を手に入れようとしたのはナチス関連の物品を収集する富裕な英国人。この人物はスウェーデンのネオナチにコンタクトを取り、盗みを依頼したという。スウェーデンの大衆紙は、取引金額を100万スウェーデンクローナ強(約10万ユーロ)と指摘したうえで、ネオナチはこの資金を元手に国会議事堂や外務省、首相宅への爆弾テロを行う計画だったと報じている。

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