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2010/4/14

経済産業情報

ガソリン価格、投機で14セント割高に

この記事の要約

投機マネーの大量流入による原油価格つり上げで、ドイツのガソリン、ディーゼル価格はリッター当たり14セント割高になっている――。石油市場調査会社Energy Comment(ハンブルク)はこのほど、こんな試算結果を明らかに […]

投機マネーの大量流入による原油価格つり上げで、ドイツのガソリン、ディーゼル価格はリッター当たり14セント割高になっている――。石油市場調査会社Energy Comment(ハンブルク)はこのほど、こんな試算結果を明らかにした。投機マネーによる上乗せ分はドイツ国内の需要分だけでも年間50億ユーロ、世界全体では2,670億ユーロに達するという。

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Energy Commentは緑の党の委託で調査を実施した。それによると、原油の最近の先物取引価格(約80ドル)のうちおよそ30ドルは市場のリスクプレミアムと思惑買いによる価格つり上げに起因するという。

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投機による価格つり上げで大きな役割を演じるのは、短期の売買で利益獲得を狙うヘッジファンドばかりではない。原油取引では近年、買い注文を膨らませ、売らずに長期保有をもくろむことで先物価格をコントロールしようとする動きが現れている。Energy Commentの調査担当者は、ニューヨーク、ロンドンの原油先物取引市場では実際の産出量に対し平均13倍の買い注文があると指摘。こうした長期的な思惑買いでは投資信託会社と銀行も中心的な役割を果たしていると明言した。

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緑の党の連邦議員は「投機マネーによる価格高騰で、ドイツのドライバーは年136ユーロのガソリン代を余分に負担させられている。これは経済にとって計り知れない損失だ」と問題を提起した。

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