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2011/5/18

企業情報

Giesecke & Devrient GmbH―紙幣印刷で苦戦―

この記事の要約

特殊印刷大手のGiesecke&Devrient(ミュンヘン)が10日発表した2010年連結決算の営業利益(EBITベース)は1億5,100万ユーロとなり、前年比で9%増加した。ソフトウェア・サービス部門(携帯 […]

特殊印刷大手のGiesecke&Devrient(ミュンヘン)が10日発表した2010年連結決算の営業利益(EBITベース)は1億5,100万ユーロとなり、前年比で9%増加した。ソフトウェア・サービス部門(携帯電話による支払い・決済機能に使用されるICチップ、SIMカード、ソフトウェアの製造)が利益率で20%超となり、全体をけん引した。売上高は0.2%増の16億8,820万ユーロと伸び悩んでいる。

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主力の紙幣製造部門で売上高が15%減の7億7,530ユーロと大きく落ち込んだ。原料である綿花の高騰や独連邦銀行が国外企業への造幣委託を開始したことが響いた。

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綿花高騰の影響は今後も続く見通しで、同社のカルステン・オッテンベルク社長は今年の売り上げが微増にとどまり、利益は減少するとの予想を示した。中期的にミュンヘンとベルリンで従業員を計400人削減する可能性を示唆している。今後は特にソフトウェア・サービス部門を強化し、紙幣部門の不振を相殺する意向だ。

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