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2011/5/18

経済産業情報

外国人持ち株比率高まる、DAX30社は過半数に

この記事の要約

ドイツ企業に対する国外投資家の関心が高まっている。『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙の調べによると、DAX(ドイツ株価指数)採用30社の外国人持ち株比率は平均56%で過半数を占めた。安全志向の高いドイツ人投資 […]

ドイツ企業に対する国外投資家の関心が高まっている。『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙の調べによると、DAX(ドイツ株価指数)採用30社の外国人持ち株比率は平均56%で過半数を占めた。安全志向の高いドイツ人投資家が株取引に消極的な一方で、外国人投資家は優良株式としてDAX銘柄買いを加速していることが背景にあるようだ。

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外国人持ち株比率が50%を超えたのはFresenius Medical Care(51.2%)、ドイツ銀行(53.0%)など17社。このうち67%(3分の2)以上を外国人投資家が保有するのはダイムラー(71.8%)、バイエル(同73.0%)、アディダス(76.0%)など7社で、最高はドイツ取引所の82.0%だった。

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最も低かったのはメルク(20.0%)で、ルフトハンザ(27.2%)、ティッセンクルップ(30.8%)も国外投資家の人気が低い。

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『ハンデルスブラット』の調べによると、DAX企業の外国人持ち株比率は10年前には3分の1に過ぎなかった。当時は上場企業同士が株式持ち合いをすることが多く、「ドイツ株式会社(Deutschland AG)」などと揶揄されていた。

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流れが変わる大きなきっかけはシュレーダー政権(当時)が2000年に打ち出した株式売却益の非課税化政策だ。この効果でドイツ企業間の株式持合いの解消が進展。市場に放出された株の多くは英米や中東などの外国人投資家の手に渡った。

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