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2011/5/18

経済産業情報

アルミ・銅接合の新技術、独研究所が見本市で発表

この記事の要約

フラウンホーファー材料・ビーム技術研究所(IWS)は23~26日にミュンヘンで開催される国際レーザー・オプトエレクトロニクス見本市で、レーザー照射によるアルミニウムと銅の接合技術を紹介する。両金属の接合は電気自動車や自動 […]

フラウンホーファー材料・ビーム技術研究所(IWS)は23~26日にミュンヘンで開催される国際レーザー・オプトエレクトロニクス見本市で、レーザー照射によるアルミニウムと銅の接合技術を紹介する。両金属の接合は電気自動車や自動車軽量化の分野で大きな関心を集めており、IWSは新技術が自動車産業の発展に貢献すると期待を寄せる。

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銅はカーエレクトロニクスをはじめ電子・電気機器のほとんどで導線として使用されている。しかし、銅価格の高騰や車両軽量化への流れを受けて、高い強度が必要とされない部分では銅より安いアルミニウムを使用することへの関心が高まっている。アルミの電導率は単位体積当たりでは銅に劣るものの、単位質量当たりで銅にほぼ匹敵する。

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ただ、◇アルミの表面は強力な酸化被膜で覆われているため、はんだによる接合ができない◇アルミと銅は融点や熱膨張係数といった物性が大きく異なるため冷却凝固時に割れや歪み、すき間などが発生しやすい◇従来式の溶接では接合界面に脆弱な金属間化合物が形成されるため、高い継手強度が得られない――といった問題があった。IWSはこうした問題を踏まえ、接合界面への直接加熱や制御が可能なレーザー接合技術の開発に取り組んだ。

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見本市で紹介する新技術の1つはレーザー溶接法。ダイナミックスキャナーを使うのが特徴で、アルミと銅だけでなく、アルミとマグネシウム、貴金属・銅の組み合わせでも接合品質が大きく改善できるとしている。

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もう1つの技術はレーザー圧接だ。レーザー照射とローラー圧延を組み合わせることで、融接と圧接の効果を得られるほか、大面積の圧接も可能なため、大量生産に向いている。

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