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2011/5/18

経済産業情報

「グリーン・ロジスティクス」が焦点に、運輸・物流見本市

この記事の要約

世界最大の国際運輸・物流見本市「トランスポート・ロジスティック」が10日~13日の4日間、ミュンヘンで開催された。今回は59カ国から前回(09年)を129社上回る1,893社が出展して過去最高を更新。期間中には134カ国 […]

世界最大の国際運輸・物流見本市「トランスポート・ロジスティック」が10日~13日の4日間、ミュンヘンで開催された。今回は59カ国から前回(09年)を129社上回る1,893社が出展して過去最高を更新。期間中には134カ国から前回を3,000人上回る5万1,000人が来場し、活発な取引が展開するなど、景気回復が鮮明に反映された。

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今年の見本市では環境に配慮した輸送・物流(グリーン・ロジスティクス)に関心が集まった。ドイツポストの物流・エクスプレス部門DHLは、CO2削減に向けた同社の取り組み(GoGreen)を紹介。スイスの物流サービスプロバイダーPanalpinaも資源節約・CO2削減プログラム「Pangreen」を紹介した。

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ただ、物流業界が環境配慮を声高に宣伝することに対しては批判の声もある。物流事情に詳しいハンブルク=ハールブルク工科大学のフレーミヒ教授は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に対し、「配達ルートの最適化、低燃費車両の投入、積載効率の向上、包装材の軽量化といった取り組みの最大の目的はコスト削減であり、企業として当然の努力を宣伝に使うケースが多いことには驚かされる」と話した。独中堅物流会社Rhenusの関係者も「物流業界は激しい競争にさらされており利幅が薄い。資源を無駄遣いできるゆとりはどこにもない」と述べ、グリーン・ロジスティクスはマーケティングに過ぎないとの見解を示した。

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