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2011/11/16

企業情報

Fujitsu Technology Solutions GmbH―黒字化達成―

この記事の要約

富士通の完全子会社として2009年4月に再スタートを切ったFujitsu Siemens(FSC)の後継企業Fujitsu Technology Solutions(FTS、ミュンヘン)が長年の赤字から脱却した。同社のロ […]

富士通の完全子会社として2009年4月に再スタートを切ったFujitsu Siemens(FSC)の後継企業Fujitsu Technology Solutions(FTS、ミュンヘン)が長年の赤字から脱却した。同社のロルフ・シュヴィルツ社長は8日の記者会見で、2011年3月通期決算の営業利益率が1.2%となり、黒字を確保したことを明らかにした。売上高は43億6,000万ユーロだった。

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FTSの業績回復は今期も続いており、4-9月期(上半期)の営業利益率は1.5%に上昇した。10月単月の売上高は前年同月の2倍に達したという。

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FSCは富士通と独Siemensの折半出資会社として1999年に設立された。ドイツ唯一のコンピューターメーカーとしてパソコンやサーバーを製造・販売してきたが、価格競争の激化で慢性的な赤字が続いていた。Siemensの要請で09年4月に合弁が解消された。

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シュヴィルツ社長はSAPやSiemens Nixdorf、米Oracleなどで要職を歴任した生え抜きのIT専門家で、その手腕を買われて10年10月、カイ・フローレ前社長に代わってFTSのトップに抜擢された。「FTSに来た当初は社内にあきらめムードがまん延していた」と当時を振り返る。2015年までに売上高を11年3月期から40%増の60億ユーロに拡大し、営業利益率も5%に引き上げることを目指している。

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