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2012/2/1

企業情報

三一重工―独Putzmeister買収へ―

この記事の要約

コンクリートポンプの有力メーカーである独Putzmeisterは1月27日、中国の建機大手・三一重工が香港の投資会社CITIC PE Advisorsと共同で同社を完全買収すると発表した。中国企業がドイツの有力メーカーを […]

コンクリートポンプの有力メーカーである独Putzmeisterは1月27日、中国の建機大手・三一重工が香港の投資会社CITIC PE Advisorsと共同で同社を完全買収すると発表した。中国企業がドイツの有力メーカーを買収するのは今回が初めて。独禁当局の承認を経て取引が成立すると、三一重工はコンクリートポンプの世界最大手となる。取引金額は非公開。アナリストらは約5億ユーロとみている。

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Putzmeisterは1958年創業のオーナー企業。同社が製造した世界最大級のコンクリートポンプ車は福島原発やチェルノブイリ原発の事故処理に投入された実績がある。米国や南欧の不動産バブル崩壊を受けて売上高は2007年の10億ユーロ超から09年には4億4,000万ユーロへと激減。大規模な人員削減を余儀なくされた。昨年は売上高が5億7,000万ユーロまで回復したものの、一族内に跡取りがいないため、三一重工への身売りに踏み切った。

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三一重工は昨年、ケルン近郊のベートブルクに欧州本社工場を開設した。同社初の欧州生産拠点で、梁穏根会長は2015年までに欧州本社の売上高を約10億ユーロに引き上げる目標を表明した。今回の取引により、Putzmeisterの技術的なノウハウを吸収するほか、販売・サービス網を拡充する。

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今後は中国事業を引き続き三一重工が展開、それ以外の地域はPutzmeisterブランドで展開していく。Putzmeisterの本社所在地アイヒタールは中国を除くコンクリートポンプ事業の統括拠点とする意向だ。

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