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2012/5/23

経済産業情報

国際印刷機材展、来場者減も取引活発に

この記事の要約

デュッセルドルフで3日から開催されていた国際総合印刷機材展(Drupa)が16日、閉幕した。印刷業界の苦境を背景に来場者数は前回(2008年)を7万5,000人下回る31万4,500人に大きく減少したものの、購入決定権を […]

デュッセルドルフで3日から開催されていた国際総合印刷機材展(Drupa)が16日、閉幕した。印刷業界の苦境を背景に来場者数は前回(2008年)を7万5,000人下回る31万4,500人に大きく減少したものの、購入決定権を持つ管理職層の来場が目立ち、活発な商談が展開。印刷機械世界最大手のハイデルベルガー・ドゥルックマシーネンには約2,000件の注文が舞い込んだという。

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主催者のデュッセルドルフ見本市が実施したアンケートによると、Drupa来場者全体に占める経営幹部の割合は前回の44.4%から50.8%に増加した。また、国外からの来場者は6割、見本市で製品を発注した来場者もおよそ5割に上っており、同見本市が取引の場としての重要性を高めていることがみてとれる。同見本市のマティアス・ドルンシャイト社長は「ドイツの印刷産業だけでも2000年からこれまでに事業所数は3,900軒、就業人口は6万1,000人減少した。来場者の減少は驚くに当たらない」と発言したうえで、「企業は大量の社員を(半ば見学目的で)見本市に参加させる代わりに、決定権を持つバイヤーを厳選して送りこんだ」と指摘した。

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ハイデルベルガー・ドゥルックは80カ国以上の顧客から、シートフェッド式オフセット印刷機550台を含むおよそ2,000台を受注し、見本市期間だけで2011年通期の半分に当たる注文を獲得した。印刷機械世界2位のKoenig&Bauer(KBA)も30カ国以上から注文を受けたという。今後も受注が好調に推移するかについては両社とも慎重なものの、見本市が業界のターニングポイントになってくれればと強い期待を示す。

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今回の見本市では特にオートメーション、パッケージ印刷、デジタル印刷、ハイブリッド技術、ウェブツープリント(インターネット印刷物発注システム)、環境配慮型印刷に関心が集まった。

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