スイスの独禁当局である競争委員会(COMCO)は15日、時計大手スウォッチに対し、競合への部品供給量を今年の水準のまま来年も維持するよう命令したことを明らかにした。COMCOは同社が自社グループ以外への部品供給を中止する方針を示したことを受けてカルテル捜査を進めているが、調査に時間がかかり6月までに結論を出せないことが確実となったため、2012年を対象に適用した暫定措置を1年延長する。
\スォッチは自社グループ製品の販売増を受けて、他社への部品供給を停止する方針を以前から示してきた。ただ、同社はスイス時計市場で支配的な地位にあり、同国の時計産業に大きな打撃を与える恐れがあるため、独禁法上の審査を申請。COMCOはこれを受けて11年6月に捜査を開始するとともに、最終結論が出るまでの暫定措置として、12年から段階的に供給量を削減していくよう同社に命令した。
\5月の時点で暫定措置延長を決めた理由としてCOMCOは、部品供給を受けている競合への配慮を挙げた。当該部品は発注から納品までに数カ月を要するため、供給量を現時点で確定することで13年の生産見通しが立てやすくなる。
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