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2013/3/13

経済産業情報

高効率ガス発電所、採算悪化で稼働停止の危機に

この記事の要約

世界最高水準の発電効率を誇るガス発電所「Irsching 5」(バイエルン州中部フォーブルク)が営業運転開始から3年足らずで稼働停止の危機に直面している。再生可能エネルギー発電の増加で運転停止時間が増え採算性が悪化してい […]

世界最高水準の発電効率を誇るガス発電所「Irsching 5」(バイエルン州中部フォーブルク)が営業運転開始から3年足らずで稼働停止の危機に直面している。再生可能エネルギー発電の増加で運転停止時間が増え採算性が悪化しているほか、欧州財務危機を背景に電力の卸値が大幅に低下しているためだ。同発電所に出資するエーオンは、3月末までは運転を継続するとしながらも、状況の改善が見込めなければ4月以降は稼働停止が避けられないとしている。

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エーオンのタイセン社長によると、Irsching 5(出力860メガワット)が利益を確保するには年4,000時間以上の稼働が必要だが、12年の実際の稼働時間は1,600時間に過ぎなかった。

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Irsching 5にはエーオンのほかN-Ergie(ニュルンベルク)、Mainova(フランクフルト)などの地域エネルギー会社4社が共同で出資する。最大の出資者はエーオンで、地方紙『ドナウクーリエ』によると、出資額は4億ユーロに上る。同社は現在、他の出資者と稼働停止を回避する可能性について協議しており、月末にはフォーブルク市長とも会談する計画だ。ただ、稼働停止の決定権は出資者側にあり、市長は「稼働停止による経済的な打撃は計り知れない」と懸念している。

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