ファッション通販サイト大手のZalandoはこのほど、同社の物流センターを報道陣に公開した。同社は昨夏、物流センターの劣悪な労働環境がテレビ番組で報道されたことを受けて改善に取り組んできたが、ネット通販世界最大手のアマゾンが外国人労働者の差別的な扱いで最近、批判を受けていることから、飛び火を避けるため公開に踏み切った。
\Zalandoは「ネット通販には不向き」とされていた靴の販売でスタートした。ためし履きできない弱点をカバーするため、送料・返品無料などのサービスを前面に打ち出してユーザーの支持を獲得。2008年の創業からわずか4年で年商を10億ユーロ台に乗せた。
\こうしたなか、公共第二放送ZDFが昨夏、ベルリン近郊のグロースベーレンにある同社の物流センターを極秘取材した様子を報道。番組では作業ホールの中央に設置された不衛生な仮設トイレや高温の室内での作業、「作業中に座ることは禁止されている」といった従業員のインタビューなどが放映され、大きな批判を巻き起こした。
\Zalandoの物流担当者はメディアの取材に対し「作業ホールには椅子があり、腰かけて作業することは可能だった。番組で『作業中は立ち通し』と話した従業員は実際には椅子があるのに座ろうとしなかっただけ」と述べ、取材内容は必ずしも事実でないと指摘した。
\その一方で、「事業拡大を優先するあまり、労働環境など従業員への配慮で不手際があった」として問題を追認した。同社は番組をきっかけに労働環境改善に着手、州労働監督当局が実施した最近の特別調査では「特に問題なし」とのお墨付きを得たという。
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