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2013/3/13

総合 - ドイツ経済ニュース

シュツットガルト駅再開発、費用膨張も推進堅持

この記事の要約

住民の反対運動を受けて建設計画が遅れているシュツットガルト駅再開発プロジェクト「Stuttgart 21(S21)」をめぐり、ドイツ鉄道(DB)の監査役会は5日、事業予算をこれまでの45億2,600万ユーロから20億ユー […]

住民の反対運動を受けて建設計画が遅れているシュツットガルト駅再開発プロジェクト「Stuttgart 21(S21)」をめぐり、ドイツ鉄道(DB)の監査役会は5日、事業予算をこれまでの45億2,600万ユーロから20億ユーロ引き上げ65億2,600万ユーロとする案を了承した。コスト膨張を受け入れてでも事業を推進する方がプロジェクトを中止するよりも経済的なメリットが大きいと判断。増額分については共同出資者であるシュツットガルト市とバーデン・ヴュルテンベルク(BW)州に相応の負担を求める方針で、応じなければ法的措置も辞さないとしている。

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S21は輸送能力を増強するためシュツットガルト中央駅を従来の頭端式地上ホームから通過型地下ホームに改築するプロジェクト。計画は1980年代までさかのぼるが、経済的なメリットなどを疑問視する市民が激しい反対運動を繰り広げ、まだ着工も出来ていない状態だ。

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S21の建設コストはこれまで45億ユーロとされていたが、DBはオーナーである連邦政府の要求を受けて新たなコスト見積りと経済性に関する調査を実施した。この結果、遅延による追加負担も含め予算を20億ユーロ上乗せする必要があることが判明。DBは協議を重ねた末、コスト増を受け入れてでもプロジェクトを継続する方がメリットが高いとの結論に達した。

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従来の試算ではDBが17億ユーロ、連邦政府が12億ユーロ、BW州が9億3,000万ユーロ、シュツットガルト市が2億9,200万ユーロを負担することになっていた。DBはBW州とシュツットガルト市に対し、増額分についてももこの割合に応じた負担を求めている。

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BW州のヴィンフリート・クレッチュマン首相(緑の党)は「従来の取り決め額以上は拠出しない」としてDBの要求を拒否する構えだ。

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