化学大手のBASFとIneosの合弁会社Styrolution（フランクフルト）をIneosが完全買収する見通しだ。Styrolutionのロベルト・グラルドーニ社長が8月28日明らかにしたもので、来年にも取引が成立する可能性が高いという。
\StyrolutionはBASFとIneosが2011年10月に折半出資で設立した。その際、IneosはBASFが持つ50％を14年2月以降に取得するオプション権を取得。BASFも同持ち分を14年10月以降にIneosに売却する権利を確保した。
\Styrolutionは世界10カ国に計17工場を持ち、従業員数は約3,200人。12年売上高は60億ユーロで、営業利益（EBITDA、特別費を除く）は3億3,500万ユーロだった。売上高営業利益率は約6％。同社は収益力の高い新興国事業や特殊樹脂事業の強化とコスト削減を通して2010年代末までに同比率を2ケタ台に引き上げる目標を掲げている。
\グラルドーニ社長は記者会見で、基礎化学品企業のM&AではEBITDAの5～7倍の額を対象企業の時価とするのが一般的だと指摘した。StyrolutionのEBITDAが今後、大きく増加すると、同社の時価も上昇するため、Ineosは早い時点でBASFが持つ持ち分を獲得したい考えのようだ。
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