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2014/1/8

総合 - ドイツ経済ニュース

再可エネ助成ルールにEU法違反の疑い、欧州委が審査へ

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は12月18日、ドイツの再生可能エネルギー法(EEG)がEU競争法に違反している疑いがあるとして審査手続きを開始した。再可エネ電力向け助成金の負担軽減ルールがEUとドイツ国内で公正な競争を阻害 […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は12月18日、ドイツの再生可能エネルギー法(EEG)がEU競争法に違反している疑いがあるとして審査手続きを開始した。再可エネ電力向け助成金の負担軽減ルールがEUとドイツ国内で公正な競争を阻害している可能性があるとみている。独政府は同委の質問に対し1カ月以内に回答する義務がある。欧州委は政府回答を踏まえ年央までに最終判断を下す見通しだ。

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EEG法では再可エネ発電で生産された電力を20年間、市場価格よりも高額の固定価格で買い取ることが送電事業者に義務づけられている。買い取り価格と市場価格の価格差が助成金(Marktpraemie)に当たり、最終的に電力料金に上乗せされて、消費者や企業などの需要家が負担している。

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ただ、厳しい国際競争にさらされるエネルギー集約型企業は同負担を軽減されている。負担軽減を受けるのに必要な基準は2012年に緩和され、それ以降、軽減対象となる企業の数は急増。昨年は1,700社、今年は2,700社以上へと拡大した。

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欧州委はこれを問題視しており、12年以降の助成負担軽減を対象に審査を開始した。同軽減策がEU法違反と認定されると、軽減措置を受けた企業は軽減分の支払いを命じられる可能性がある。

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欧州委の審査に対しメルケル独首相は、ドイツよりも電力価格が低いEU加盟国がある限り、EEG法の助成負担軽減ルールは公正な競争を阻害するものではないとの立場を表明。同ルールはEU法に合致しているとの見方を示した。

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