ドイツ航空宇宙センター(DLR)が外国の諜報機関から深刻なスパイ攻撃を受けたことが分かった。週刊誌『シュピーゲル』がオンライン版で13日報じ、DLRや独連邦内務省が追認した。中国のスパイ活動の可能性があるとしている。すでに国家サイバー防衛センターが調査を開始したほか、連邦検察庁も捜査に乗り出した。
DLRでは数カ月前、研究者やシステム・アドミニストレーターのコンピューターがトロイの木馬に感染していることが明らかになった。検出されると自動的に壊れる「自爆機能」がついている。
ドイツ連邦情報技術保安庁(BSI)の専門家が調べたところ、コードから中国文字が発見されたほか、中国人が作成したと推測させるタイプミスが繰り返し見つかったという。このため、中国の情報機関が関与している疑いが持たれるものの、他の国の情報機関が中国を装っている可能性も排除できない。
DLRでは純粋な航空宇宙研究のほか、軍事関連の研究も行われており、重要な軍事機密が漏えいした恐れがある。