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2014/6/25

企業情報

EnBW―評価損15億ユーロ計上へ、電力価格下落で―

この記事の要約

独電力大手のEnBW(カールスルーエ)は24日、2014年6月中間期決算で、評価損15億ユーロを計上する見通しを明らかにした。電力価格の低下を背景に発電所の稼働率が低下しているうえ、状況改善の見通しも立たないため、発電所 […]

独電力大手のEnBW(カールスルーエ)は24日、2014年6月中間期決算で、評価損15億ユーロを計上する見通しを明らかにした。電力価格の低下を背景に発電所の稼働率が低下しているうえ、状況改善の見通しも立たないため、発電所の稼働期間中に獲得する予想利益の引き下げを余儀なくされた。競合RWEも13年通期に火力発電所で合わせて約50億ユーロの評価損を計上している。

欧州では現在、電力の卸価格が低下している。業界の過剰な発電能力と、発電量を需要に合わせて調整できない再生可能エネルギーが増加しているためで、先物価格は12年下半期の1キロワット時(kWh)当たり約50ユーロから35ユーロ未満へと落ち込んでいる。

また、ドイツでは再可エネ電力を優先的に供給する政策を受けて火力発電の採算が悪化しており、EnBWは発電所全体で6月中間期に12億ユーロの評価損を出す見通しだ。特に石炭発電所で計上額が大きいという。

評価損の残り3億ユーロは発電コストが契約価格を上回るために発生する。