欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2015/4/1

経済産業情報

中国生産見直しが加速、ユーロ安が追い打ちに

この記事の要約

中国での生産を見直す動きがドイツ企業の間で強まっている。現地の人件費高騰のほか、最近はユーロ安が進み、同国で生産して欧州に逆輸入するメリットが大幅に薄れているためだ。日刊紙『ヴェルト』が3月25日付で報じた。 換気装置大 […]

中国での生産を見直す動きがドイツ企業の間で強まっている。現地の人件費高騰のほか、最近はユーロ安が進み、同国で生産して欧州に逆輸入するメリットが大幅に薄れているためだ。日刊紙『ヴェルト』が3月25日付で報じた。

換気装置大手のEbmパプストは中国工場の生産業務を一部、欧州に移管した。ライナー・フンツデルファー社長は「ユーロ安は中国での販売にプラスとなっているが、中国からの輸出にはマイナスだ」と述べ、欧州市場で販売する製品については欧州で生産した方が低コストであることを明らかにした。生産ラインを自動化できる業務はドイツ、手作業が必要なものはハンガリーに移したという。

一方、製紙機械、水力・揚水発電用タービン大手のフォイトは中国で生産する製品の欧州向け輸出を中止。現地生産の70%を同国で販売、残り30%もアジア諸国に輸出している。

人件費の低さを理由に中国で生産する時代はほぼ終わったもようで、在中ドイツ商工会議所が同国で生産事業を行う独企業を対象に昨年実施したアンケート調査では、「中国で生産した製品は主に輸出している」との回答が23.1%にとどまり、前年を13.4ポイント下回った。「中国国内の販売がメインだ」は76.9%と4分の3を超えており、地産地消型の事業を同国で展開する企業が増えている。