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2015/4/1

経済産業情報

オスひよこの殺処分廃止へ 卵の段階で性別鑑定、装置を17年実用化

この記事の要約

ドイツ連邦農業省は3月30日、オスひよこの殺処分を廃止するプロジェクトを発表した。オスは卵を産まず食肉としても適さないため、現在はひよこの時点で大半が殺処分されている。同省は動物愛護と経済性の観点から養鶏事業者がそうした […]

ドイツ連邦農業省は3月30日、オスひよこの殺処分を廃止するプロジェクトを発表した。オスは卵を産まず食肉としても適さないため、現在はひよこの時点で大半が殺処分されている。同省は動物愛護と経済性の観点から養鶏事業者がそうした措置を取らなくても済む体制を整える。

殺処分を避けるために雌雄鑑定を孵化前の時点で行える装置を開発する。測定対象に近赤外線を照射して成分を分析する近赤外線分光法(NIRS)を同装置で採用。受精後3日目以降であれば、オスかメス化を鑑定できるようにする。ライプチヒ大学を中心とするグループが2016年末までにプロトタイプを開発。17年から実用化する考えだ。

同装置は鑑定後にオスとメスを自動的に振り分けるため、養鶏事業者はオスの卵をそのまま商品として出荷できるようになる。農業省は殺処分の禁止を法制化することは考えていない。

ドイツでは現在、オスひよこが年に約4,500万羽、殺処分されている。