欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/5/26

西欧

伊3位銀、50億ユーロの増資計画が決定

この記事の要約

伊3位銀行のバンカ・モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(MPS)が、注入された公的資金の返済などのため実施を決めた50億ユーロの増資計画が21日、臨時株主総会で承認された。これによって公的資金返済のめどが立ち、一部国営化 […]

伊3位銀行のバンカ・モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(MPS)が、注入された公的資金の返済などのため実施を決めた50億ユーロの増資計画が21日、臨時株主総会で承認された。これによって公的資金返済のめどが立ち、一部国営化を免れることになった。

ユーロ圏の債務危機で経営が悪化し、資本不足に陥ったMPSは昨年、伊政府から公的資金注入を受けて救済された。その後に8,000人の削減、550支店閉鎖などの合理化策を進め、経営再建に取り組んでいるが、なお赤字が続いている。しかし、41億ユーロに上る公的資金を17年までに完済しなければ、政府が保有する債権を証券化し、一部国営化されるため、同行は昨年に30億ユーロの資本増強を決定。さらに、欧州中央銀行(ECB)が実施するユーロ圏の銀行のストレステスト(健全性審査)と資産査定で資本不足と判定された場合の準備金を確保するため、4月に増資を50億ユーロに拡大することを決めていた。

増資は6月中に実施する。海外の大手10銀行による引き受けが決まっている。MPSは調達した50億ユーロのうち、30億ユーロを今年の公的資金返済に充て、残りを健全性審査、資産査定のために留保する。

MPSのアレッサンドロ・プロフーモ会長は、増資計画の承認によって「当行はもはや国家とイタリア金融システムの問題ではなくなった」と宣言した。