欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/5/26

西欧

フィッチ、ギリシャを格上げ

この記事の要約

大手格付け会社フィッチ・レーティングスは23日、ギリシャの長期信用格付けを「Bマイナス」から1段階引き上げ、「B」にしたと発表した。財政改善が進み、景気も回復に向かっていることを考慮した。格付け見通しは「ステーブル(安定 […]

大手格付け会社フィッチ・レーティングスは23日、ギリシャの長期信用格付けを「Bマイナス」から1段階引き上げ、「B」にしたと発表した。財政改善が進み、景気も回復に向かっていることを考慮した。格付け見通しは「ステーブル(安定的)」とした。

ユーロ圏の信用不安の震源地となったギリシャは、一時はデフォルト(債務不履行)が現実味を帯びるほど財政が悪化したが、2010年にEUと国際通貨基金(IMF)から金融支援を取り付け、財政再建を進めてきた。

その結果、2013年にプライマリー・バランス(基礎的財政収支)が黒字化するなど状況が好転し、12年に30%を超えていた10年物国債の流通利回りも許容範囲内まで低下。4月に国債入札を再開し、30億ユーロの調達に成功した。

フィッチはこうした財政改善に加えて、経済も改善しつつあることから、格上げを決めた。ただ、ギリシャの格付けは、なお投資適格級の5段階下の水準にある。

今年1~3月期の国内総生産(GDP)伸び率はマイナス1.1%となったものの、マイナス幅が前期の2.3%から縮小した。フィッチは今年は0.5%、15年は2.5%の成長が見込めると予想している。

債務・金融危機で国際金融支援を受けたユーロ圏の国では、財政改善が進んでいることを受けて、このところ格上げが相次いでいる。同日には米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、「BBBマイナス」としていたスペインの長期信用格付けを1段階引き上げ、投資適格級の下から2番目の「BBB」に引き上げた。