欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/6/30

西欧

エティハド航空、アリタリアへの49%出資で合意

この記事の要約

アラブ首長国連邦(UAE)のエティハド航空は25日、経営難に陥っている伊アリタリア航空に49%を出資することで基本合意したと発表した。欧州屈指の名門航空会社であるアリタリアは、急成長するエティハドに救済され、経営再建を進 […]

アラブ首長国連邦(UAE)のエティハド航空は25日、経営難に陥っている伊アリタリア航空に49%を出資することで基本合意したと発表した。欧州屈指の名門航空会社であるアリタリアは、急成長するエティハドに救済され、経営再建を進めることになる。

赤字が続くアリタリアは2013年、政府が主導してまとめた増資計画で、イタリア郵政公社などから3億ユーロの出資を受けて当面の運転資金を確保し、破綻の危機をとりあえず回避した。しかし、長期的な再建には新たなパートナーが必要で、エティハドから出資を受ける方向で交渉を進めてきた。

出資交渉では、アリタリアの人員削減と債務再編が大きな焦点だった。両社は出資額、出資条件など詳細を明らかにしていないが、イタリアのルピ運輸相は今月中旬、エティハドが5億6,000万ユーロを出資するほか、向こう4年間で新機材購入などに6億9,000万ユーロを投資するとの見通しを示していた。

出資条件に関しては、エティハドはアリタリア従業員の17%に相当する2,200人の削減を求めていた。英フィナンシャル・タイムズによる意と、債務再編に関しては、伊大手銀行ウニクレディト、インテサ・サンパオロなどの債権者に対して、短期債権の3分の1を放棄し、残る3分の2の証券化を求めることで合意したという。

エティハド航空は欧州で、独エア・ベルリン、アイルランドのエア・リンガス、セルビア航空に出資している。アリタリアへの出資により、欧州への投資を一段と強化することになる。