欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/7/21

EUその他

アプリ内課金でグーグルが改善策、「無料」表示の排除など確約

この記事の要約

欧州委員会は18日、無料でダウンロードできる携帯向けゲームのアプリ内課金について、米グーグルから消費者の誤解を招く表示を排除することなどを盛り込んだ改善策が提示されたことを明らかにした。一方、グーグルと同じくアプリストア […]

欧州委員会は18日、無料でダウンロードできる携帯向けゲームのアプリ内課金について、米グーグルから消費者の誤解を招く表示を排除することなどを盛り込んだ改善策が提示されたことを明らかにした。一方、グーグルと同じくアプリストアを運営する米アップルは具体的な対応策を示しておらず、欧州委は同社に対して取り組みを急ぐよう求めている。

欧州のゲーム市場では、ゲーム自体は無料で入手できるものの、プレイを有利に進めるために必要な機能やアイテムを有料で販売する「フリーミアム」形式のアプリが急増している。欧州委はこうしたビジネスモデルに対してEU各国の消費者団体などから多くの苦情が寄せられていることを受け、今年2月に実態調査に乗り出す方針を発表。とくに子供向けゲームでのアプリ内課金の仕組みを問題視し、ゲームメーカーの業界団体やアプリストアの運営者などに対して消費者保護の観点から必要な対策を講じるよう求めていた。

グーグルは欧州委の要請に応じ、9月末までに◇消費者に一切の費用がかからないとの誤解を与えることのないよう、アプリ内購入付きのゲームアプリなどに「無料」と表示しない◇子供のユーザーに対してアプリ内アイテムの購入を呼びかけたり、保護者に購入してもらうよう勧めない◇購入ボタンを押すと自動的に決済されるシステムを見直し、ユーザーが明示的に支払いを承認するまで課金されない設定に変更する◇消費者からの苦情や問い合わせに対応するため、販売者にメールアドレスの表示を義務付ける――との方針を打ち出した。

欧州委によると、欧州のアプリ市場は100億ユーロ規模に上り、アプリ内課金がこのうち80%近くを占めている。同委のクルース副委員長(デジタルアジェンダ担当)は「アプリ内課金は合法的なシステムだが、事業者は消費者保護を重視するEUのルールを十分に理解して新たなビジネスモデルを開発すべきだ」と指摘している。